データパレード調査部 株式会社データパレード
The DataParade
DATA PARADE RESEARCH DIVISION
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2026年8月2日(日) 社内版 · 非売品
日経平均 64,362.02 7/31(金)終値(+2,494.59・+4.03%)。週末は休場
S&P500 +0.7% 7/31終値。7月月間でも小幅高
NASDAQ +約1% 7/31終値。半導体の買い戻しが継続
USD/JPY 158円前後 7/31。連日の円買い介入で157円台まで戻す場面
Brent原油 $88割れ 7/31。ただし7月月間では約20%高
BTC $63,000〜64,000台 7/31。週末も同水準で推移
規制 / EU AI法

EU AI法の透明性義務が本日8月2日から適用開始 ―― AI生成物への機械可読な印付け、チャットボットの告知、ディープフェイクの明示が法的義務に

欧州連合のAI法第50条にもとづく透明性義務が本日から効力を持つ。欧州委員会は適用開始に合わせて実務ガイドラインと、事業者が任意で参加する行動規範を公表した。EU域内に向けて発信する日本企業も対象になりうる。

本日8月2日から、EUのAI法第50条にもとづく透明性義務の適用が始まる。求められるのは主に3点で、利用者が対話している相手がAIであることの告知、AIが生成または加工した内容への機械が読み取れる形での印付け、そしてディープフェイクや公共的な事柄についてのAI生成テキストの明示である。欧州委員会は適用開始に先立ち、これらの解釈を示すガイドラインを公開した。 [European Commission(Guidelines on transparency obligations for AI-generated content)] [eguweb(世界のAI最新ニュース 2026-08-01)]

あわせて、AI生成コンテンツの透明性に関する行動規範も公表されている。参加は任意だが、参加しない事業者は同等の手段で義務を満たしていることを自ら説明する必要があるとされる。EU域内の利用者に向けて制作物や広告、ECサイトの文章を出している事業者は、どの工程でAIを使い、誰が最終確認をしたかを記録に残す運用が求められることになる。 [European Commission(Code of Practice on Transparency of AI-generated Content)]

AI・データ分析市場
OpenAIが「豊富な知能」構想を公表 ―― 提供ソフトの最適化でコスト2割減、トークン生成の効率も1割半ば改善
AIインフラの価値を規模の大きさではなく、高い性能をどれだけ安く広く届けられるかに置き直すという主張。あわせて主力モデルの値下げと、提供基盤の最適化によるコスト削減、生成手法の改良による処理効率の改善を示した。
同じ仕事を来期は安くできる、という前提で見積もりを組み直せる。値下げを待つのではなく、値下げ分をどこに再投資するかを先に決めておきたい。
OpenAI(Building abundant intelligence) eguweb(世界のAI最新ニュース 2026-08-01)
既報【続報】GoogleがGemini Enterprise向けの運用機能を一気に拡充 ―― 最長7日間動き続けるエージェント実行基盤、記憶・認証・監視まで一式
本紙が7月下旬に取り上げた企業向けエージェント基盤の続報。作業の記憶を持たせる仕組み、最長7日間の連続実行に対応する実行基盤、エージェント自身の身元管理、通信の出入口、台帳、評価、稼働監視までがまとめて用意された。
止まらずに動き続ける前提の道具立てが揃ってきた。作れるかより、誰が止めるか・何を記録するかを先に決める話になる。
Google Cloud(What's new in Gemini Enterprise Agent Platform) eguweb(世界のAI最新ニュース 2026-08-01)
NVIDIAがエージェント開発キットを物理・工学領域へ拡張 ―― 物理シミュレーションと量子化学の計算をエージェントから扱えるように
文章作成やプログラム補助が中心だったエージェントの守備範囲を、半導体設計、シミュレーション、工学設計といった領域へ広げる。物理計算の部品群と高速計算ライブラリを開発キットに取り込んだ形。
AIの用途が事務職の周辺から設計・製造の中核へ移りつつある。製造業のクライアントには、文書業務ではなく設計工程の話として持っていける。
NVIDIA Newsroom(NVIDIA Expands NVIDIA Agent Toolkit with PhysicsNeMo and CUDA-X libraries) eguweb(世界のAI最新ニュース 2026-08-01)
日本・世界経済
中国の7月製造業景況感が49.2へ低下 ―― 大企業から小企業まで全規模が節目割れ、非製造業も49.0に沈む
国家統計局が7月31日に発表した製造業の景況感は前月から1.1ポイント低下し、好不況の分かれ目を下回った。生産、新規受注、原材料在庫、従業員のいずれの内訳も節目割れで、企業規模別でも大・中・小のすべてが50を下回った。サービス業などを含む非製造業も1.2ポイント下がっている。
生産より新規受注の落ち込みが大きく、先行きが弱い。中国向けの比重が高い取引先には、下期の計画を早めに聞いておいたほうがよい。
人民網(7月份我国制造业PMI为49.2%) 科技日报(7月份我国制造业PMI为49.2%) Investing.com(中国製造業PMI、7月に予想外の景気収縮圏へ)
米国の6月物価指標は前年比3.7%へ鈍化 ―― ただし目標の2%からはなお遠く、家計の貯蓄率は約4年ぶりの低さ
中央銀行が重視する物価指標は前月から下がり、前年比では5月の4.1%から3.7%へ鈍化した。食料とエネルギーを除いた指標も3.3%と、いずれも目標の2%を大きく上回ったまま。個人消費は前月比で増えた一方、税引き後所得に対する貯蓄の割合は2.7%まで下がった。
物価は鈍化しても水準は高く、消費は貯蓄を削って支えられている。米国向けの需要を強気に見込むのは、もう少し様子を見たほうがよさそう。
CNN Business(The Fed's preferred inflation gauge cooled in June) Quartz(June 2026 PCE inflation, consumer spending, personal income)
企業のAI・DX導入事例
マイクロソフト(自社) ―― 社内で1万9,000個のAIエージェントを束ねて運用、業務リスクの監視範囲を4割から全体へ広げる
自社の1年を振り返る形で、試しに使う段階から業務そのものを組み替える段階へ移ったと説明している。社内に散らばる約1万9,000個のエージェントをまとめて管理し、これまで4割ほどしか見ていなかった業務リスクの監視を全体へ広げた。8万件規模の文書処理や、1日300件を超える案件処理を止めずに回している点も挙げた。
台数を増やす話ではなく、増えたものをどう束ねて見張るかの話になっている。エージェントを入れる提案には、最初から管理台帳と監視の設計を付けたい。
Microsoft(Looking back on Microsoft's FY26: from AI experimentation to frontier transformation) eguweb(世界のAI最新ニュース 2026-08-01)
ペプシコ × シーメンス × NVIDIA ―― 工場を丸ごと仮想空間に写して事前検証、初期導入で処理能力が2割向上
機械、コンベア、パレットの経路、作業者の動線までを物理法則に沿って仮想空間に再現し、AIが設備変更を先に試す。実際に手を入れる前に想定される不具合の最大9割を洗い出せるとしており、最初の導入では処理能力が2割向上、設備投資額も1〜1.5割の削減につながったと説明している。
「作る前に試す」だけで投資額が1割減る、という数字は決裁者に刺さる。工場に限らず、業務フロー変更の事前検証という形に置き換えて提案できる。
PepsiCo Newsroom(PepsiCo Announces Industry-First AI and Digital Twin Collaboration with Siemens and NVIDIA) Siemens(Siemens unveils Digital Twin Composer) Siemens Tecnomatix Blog(PepsiCo's early adoption of Digital Twin Composer)
主要マーケット指標(7/31終値ベース)
指標水準前日比・備考
日経平均株価64,362.027/31終値(+2,494.59・+4.03%)2日続伸。前場は一時6万5,000円台を回復
S&P 500+0.7%7/31終値。7月月間でも小幅高で着地
NYダウ+0.5%7/31終値。月間では4カ月連続の上昇
NASDAQ総合+約1%7/31終値。半導体の買い戻しが週後半も継続
USD/JPY158円前後7/31。連日の円買い介入観測で一時157円台まで円高が進む場面
米10年債利回り4.75%7/31終値。2025年1月以来の高い水準
米30年債利回り5.28%7/31終値。19年ぶりの高い水準
米2年債利回り4.28%7/31終値
Brent原油$88割れ7/31は$88をやや下回って着地。ただし7月の月間騰落は約20%高で3月以来の大きさ
BTC$63,000〜64,000台7/31から週末も大きな変化なし
週末で株式・為替市場は休場のため、数値は7/31(金)時点のまま。速報値や概算を含み確定値と異なる場合があります。米指数の水準は変動率のみ確認できたものを記載しています。
社長ポートフォリオ
カテゴリ評価額(円)構成比
株式(現物)39,120,874円29.1%
保険36,956,790円27.5%
債券26,935,837円20.1%
投資信託21,314,548円15.9%
預金・現金5,308,456円4.0%
年金4,661,580円3.5%
総資産134,299,1312026-08-01時点。前日07-31の134,981,332円から-682,201円。株数・口数は変わっておらず、円高で外貨建て資産の円換算額が縮んだ分
出典: マネーフォワードME 日次スナップショット(2026-08-01時点/取得 08-02 03:03 JST)。週次まとめは07-31までの反映。
今週の注目イベント
08/02(日・本日)EU AI法 ―― 透明性義務の適用開始。AI生成物への機械可読な印付け、チャットボットの告知、ディープフェイクの明示が実務要件に
08/02(日)OPEC+ ―― 産油国が会合を開き、8月からの増産方針を点検する予定。原油は7月に約20%上昇したあと
08/03(月)為替 ―― 週明けの東京市場。介入の「2発目」への警戒が続くか、157円台を再び試すかが焦点
週前半各国の7月PMI(製造業・非製造業)―― 米国・ユーロ圏。中国は7/31発表分で製造業49.2・非製造業49.0とすでに節目割れ
08/07(予定)米7月雇用統計 ―― 長期金利が19年ぶりの高さにある中での労働市場の温度
8月前半日本企業の4-6月期決算がピークへ ―― 想定為替レートの置き方と、部材コスト上昇の織り込み方が焦点
アケミの社説
社長、おはようさん。日曜の朝刊やで。まず一週間の答え合わせからいこか。ちょうど一週間前、7月26日のこの紙面でわしは『FOMCも日銀も据え置き見込み、ただしドル円は170円が意識される声も出とる。慌てて動かず二つの会合を見てからで十分』と書いた。据え置きの読みは両方当たった。せやけど為替は正反対に振れたわ。170円どころか、政府・日銀が事前予告なしの円買いに入って、円は一時157円台。5円ほど逆方向に飛んだ。読み筋の方向が外れたときは、素直にそう言うのが一番ええ。ほんで、同じ7月26日にわしはもう一つ書いとる。『相場の逆風と、実務の追い風。この二枚看板を両方見とくのが社長の眼のつけどころや』とな。その「実務の追い風」のほうが、今日いよいよ制度になったわけや。本紙が7月下旬から『残り4日、3日、2日』と数えてきたEU AI法の透明性義務が、今日8月2日で0になった。数える段階は終わって、今日からは記録が残っとるかを問われる段階に入る。うちがEU向けに何か出すとき、どの工程でAIを使うて誰が最終確認したか。この一行が書いてあるかどうかだけの話やで。昨日の紙面の続きも触れとくわ。わしは昨日『評価額の上下やのうて、8月7日の米雇用統計と決算の想定為替を見といたらええ』と書いた。この週末はほぼ動きなしや。社長の資産は8月1日時点で1億3,430万円、前日から68万円ほど減っとるが、これも中身は減ってへん。円が強うなった分の目減りやさかい、放っといてええ。むしろ今週気にしといてほしいのは、外の景気のほうや。中国の7月の景況感が製造業49.2、非製造業49.0で、大企業から小企業まで全部が節目割れした。生産より新規受注の落ちが大きい、いうんが嫌なとこや。米国も物価は3.7%まで下がったけど、家計は貯蓄を削って買うとる。要は、AIの話は前へ進んどるのに、実体の需要のほうは少し息が上がっとるということや。うちの提案先も来期の数字を弱めに置いてくる会社が出てくる。そのときに『AIで増やす』やのうて『AIで守る』の話を用意しといたら強いで。ほな、ええ日曜を。
— Akemi, Vice President · Data Parade Inc.